Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第45弾:ダイハツ・フェロー・SS
2025.5.31
Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第45弾:ダイハツ・フェロー・SS
<パタン、パタン、パタン!>
ハイチューンの2サイクルのエンジン特有の「パタン、パタン、パタン!」というアフターバーンの強烈な音を立てて、友達がダイハツ・フェロー・SSを見せびらかしに来ました。聞けば「新しく出たホンダN360に惹かれるところもあったが、SSのスポーツ仕立ての内装にやられたよ!」とか。
早速乗せてもらうと「ハンドブレーキターンも出来るんだぜ!」との自慢話が続いてきました。正確に言うと「ちょっと路面が濡れていると」と言う条件付きらしいのですが。当時の自動車は実用性たっぷり、頑丈で重いボデーに耐久性抜群のエンジン、とてもハンドブレーキターンなど考えても出来ない存在だったので、軽四輪でハンドブレーキターンは「とても高性能」なイメージでした。
<ダイハツ・フェロー:コンサバ“正統自動車”>
「フェロー」は、1966年「スーパーデラックス」と「デラックス」の2グレードで発売され、翌1967年に「スタンダード」を追加。同年秋にはグリルの縦線を除き腰高感を払拭するための変更などのマイナーチェンジ。
軽四輪と言えばツーボックス、RR(Rear Engine/Rear Drive)で何となくまがい品のようなイメージであった中、ダイハツ・フェローは謳いながらもトランクを備えたセダン型でかつFR!何となく「コンサバ“正統自動車”」のイメージを醸し出していました。
おまけにサスペンションは四輪独懸、リアはスイングアクスル!かのメルセデス・ベンツ・300SLと同じ形式!ハンドブレーキターンはスイングアクスルの賜物?
<フェロー・SS>
日本グランプリをきっかけに、各社からスポーツモデルが続々と登場する中、ダイハツもフェローの保守的なイメージを打破すべく1967年にSSを投入。
エンジンをチューンアップし、当時としては破格の32馬力を達成。さらに、ド派手なストライプや専用内装が若者の心を惹きつけました。
<諸元とライバル>
同時期、各社からも軽スポーツモデルが続々と登場。ホンダN360、スズキフロンテSS、スバルヤングSSなどとの熾烈な競争が繰り広げられました。
<カタログのイメージ>
高級精密機械を感じさせてくれるカタログ抜粋です。
フェローSSのカタログは、まるで高級精密機械を思わせる品格ある仕上がり。その設計思想やこだわりが随所に表現されているように感じます。
<40km/h規制>
本シリーズでも何度か触れましたが1970年以前は軽四輪は特別扱い(“我慢車”?)、一般道では40km/hに規制されていました。そんな古き時代に32馬力を押し出したフェロー・SSはスポーツ仕立ての内装と「パタン、パタン!」の強烈なアフターバーンで個性と高出力を主張するダイハツ・フェロー・SSなのでした。
<本稿完>
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