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Mic Seaの小型高性能車シリーズ第40弾 : Renault Cing ルノー・サンク

2023.11.30

Mic Seaの小型高性能車シリーズ第40弾 : Renault Cing ルノー・サンク

最もお洒落なハッチバック

小型高性能車シリーズとして記事を作っていますが、今回は小型「お洒落度最高」のモデルという事でルノー5を取り上げてみることにしました。

ルノー5の発売された1972年と言えば、日本では第二世代FRカローラ・FRサニー、欧米ではRRビートル・FFミニ・REフィアット850・RRヒルマンインプとかの後、FFゴルフ・FFフィアット127・FFシビックなど一応FFが大衆車のディフォールトとして固まってきたし、デザイン的にもハッチバック形式が主流になって来た時代でした。

そんな中で、樹脂バンパーや強色彩のボディーカラーなどを売りにしたルノー・サンク(Renault5)は、当時の世界のお洒落な雰囲気の最先端のフランスを背負って立ち、(筆者には)最高にお洒落に感じられたものです。車輪を4隅に追いやり、ちょっと緩めの地上高!それだけでフランス車を感じさせてくれる!

「四角」を基調とするインパネもとてもお洒落に感じたものでした。写真の個体はシフトレバーが普通の位置に落ち着いた後期モデルですが、初めはインパネから突き出したような形だったようです。

基本諸元

バリエーションとしてはターボでパワーアップしたアルピーヌ・ゴルディーニ・コパ仕様、5ドア仕様、スペイン生産のセダン、そして北米仕様のLe Carなどがあり、フランス・スペイン・ベネズエラ・イラン・メキシコ・南アフリカ・ユーゴスラビアなどで生産されたと記録されています。

*写真説明:左上から時計回りに、アルピーヌ⇒5ドア⇒7セダン⇒ラ・カー

パワートレーンは二世代前で、日本の日野自動車がライセンス生産した4CVの流れを汲むモノでした。4CVはRRで車両前方からミッション⇒デフ⇒エンジンの構成でしたが、次のルノー4では前後逆転させエンジン⇒デフ⇒ミッションを並べFF化し、ルノー5はそれを引き継いだFF構成でした。

サスペンションは前後とも―ションバー・スプリング、特にリアは柔らかいバネを実現するためにスパン伸ばそうと設計者は車両中心を超えて反対側までスパンを伸ばしたため左右対称にアレンジすることが出来ず、結果として左右のホィールベースが30mm違うアレンジに行きついたようです。

<ルノー・サンク・ターボ WRC>

1978年に導入されたWRC目的のルノー・サンク・ターボが出てきてお洒落プラス高性能を実現しました。フロントとキャビンは標準車から、でもエンジンはミッドシップに搭載したWRCに勝つことを目的としたモデルです。実際にはドア・アウターしか共通ではなかったようですが、お洒落感はそのまま!1981年のモンテカルロラリーに優勝していますが、結構運転の難かしい車だったようです。現代でもメンテナンスが大変らしく火災を起こす例もあるようです。

<考察>

今では自動車は国際商品化して「お国柄」が感じられない(そのように製品企画しているのだから当たり前ではありますが)、当時はフランス車はフランス車、英国車は英国車、アメ車はアメ車とはっきり色分けされていましたね!懐かしい!

<本稿完>