Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第31弾:Fiat アバルト1000 速度競技車 2022-05-10公開版
2023.5.10
Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第31弾:Fiat アバルト1000 速度競技車
<ペビルビーチで見かけたアバルト1000速度記録車>
数年前、出かけたぺブル・ビーチ・コンクールデレガンスでFiatAbarth1000速度記録車を見かけました。ドライバーは1960年代のイタリア風のジャケットとパンツ、横には奥様と思しき女性がこれまた60年代(女の人の服装はよく分からないのですが、周りの雰囲気から60年代であろうと想像)コスチュームで控えてみえる。ヘルメットがカッコいい!
<The 1960 Abarth 1000 Bialbero speed record car “La Principessa.” >
その車は“ The 1960 Abarth 1000 Bialbero speed record car “La Principessa.” (“王女様”)。ピニンファリーナがカルロ・アバルトとタッグを組んでトリノ大学の風洞を使ってデザインしたという速度競技専用車です。空気抵抗係数は0.20!当時、一万キロを平均189.92km/h、三日72時間を185.6km/hの記録を含む九つの世界新記録を樹立しました。エンジンは982cc直列4気筒DOHC108馬力@8000rpm。
展示車についていた但し書きでは一度もレストアを受けたことがない個体だそうです。
コンピューターシュミレーションの発達により車体廻りの空気の流れの解析が進み、カナードとかフィンだとかの小物で空気抵抗を押さえつけてしまう現在の車とは違って、頭で空気抵抗が最小限になるようにデザインし、そそれを風洞に持ち込んで確認して仕上げる!それでもピニンファリーナは“美しさ”も追及している!ロマンですね
エンジンはアバルト1000TCRやアバルト1000Bialoberoクーペと基本的には同じもののようです。写真で見てわかるようにインテークは吸排カムシャフトの真ん中から行う形式です。
当時のレーシングカーのコクピット!何となくFiat600ベルリネッタから拝借してきたような計器盤、上半分しかないステアリングホィール。ナルディを半分にカットしたのかしら?
<Fiat Abarth1000 Bialbero carozzeria Beccaris>
1961年に発売されたカロツエリア・ベカリス架装のビアロベロ。Record Carの兄貴分三男?1961年と言えばフェアレディSP310が発売された年です。
<Fiat Abarth1000Bialbero TCR>
最前端に移されたラジエターとオイルクーラー、アバルトパターンのホィール。Record Carの兄貴分次男!
<Fiat600D>
Record Carの最長兄!>すべてはここから始まった!
こんなファミリー大衆車が、CTR→クーペ→Record Carと成長していく!それにしても凄い創造力ですね。
<考察>
「ちょっと古い小型高性能車」をテーマに自分の好きな車を取り上げ写真を中心に筆者Mic Sejaの経験をベースに月一ペースでブログにまとめております。そんな条件の中のスピードを極めたフィアット アバルト1000速度記録車、でも流石はピニンファリーナ!艶めかさまで感じさせるイタリア風流線形が圧巻です。まさに小さな高性能車!スゲー!かっこいい!
<本稿完>
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