Mic Seja車遍歴

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Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第11弾:Matra Djet(DB⇒Rene Bonnet⇒Matra) 2021-04-04公開版

2021.4.4

Mic Sejaの小型高性能車シリーズ第11弾:Matra Djet(DB⇒Rene Bonnet⇒Matra)

<ルマン24時間レース:熱効率指数賞>

ルマン独特のカテゴリーとして熱効率指数賞(The Index of Thermal Efficiency :Indice au Rendement Énergétique)がありますが、当時ロータスエリートとか、私の大好きな小型高性能車が沢山参戦しておりました。中でもアルピーヌとかCD(パナール)とかが空力を追求したユニークなボディ形状で目を引いたものです。カテゴリーが違うとはいえ3000~7000CCの大排気量レーシングカーに交じり1000~1500ccエンジンで対抗する!カッコいい!!

<連続参加のDB軍団>

戦後初開催の1949年から1963年まで連続参加したのがDBです。

「D.B.」という車名は創立者「シャルル・ドーチェ」と「ルネ・ボネ」の頭文字を組み合わせたもの。1938~49年はシトロエンベース、1948年以降はパナールベースでルマンに参加、1962年にドーチェさんが別れ「C.D.」を結成、残ったルネ・ボネさんがその名を冠して存続。1964年にミサイルメーカーでもあるマトラ社傘下に入りマトラと車名を変更して行ったそうです。若い方でもマトラまで来ればF1などでご存知ではないかと思います。

<前身:D.B.時代>

古くはシトロエン、後半はパナールをベースにしたモデル。前輪駆動(FF)の形式をそのまま受け継いでいます。会社も基本レイアウトも異なるのですが、空力を重んじたボディのシルエットはルネ・ボネ/マトラにつながるものを感じます。特にパナール後半1955年以降はボディ材質もFRPになりその感を深めます。

・・・・・モンテカルロラリークラシックに出場していたDB。

・・・・・米国ナッシュビルのLane自動車博物館にあったDB

<ジェット>

DB~別れたルネ・ボネさんが自らの名前を冠したルネ・ボネ・ジェットを1962年に発売。フランス車定番のルノー・ゴルディーニのエンジンとミッションを使い市販車初のMR(ミッドシップエンジン)モデルです。

*<ルネ・ボネ時代>1962~1964

・・・・・同じくLane博物館に置かれていたジェット、後ろも多分DB

*<Matra時代>1965~1967

1964年にルネ・ボネは経営悪化から、ミサイル製造などで有名なマトラ傘下に入り、ジェットもデザインUPがされました。

・・・・・Lane博物館に展示されているとてもきれいなマトラ・ジェット

<M530>1967~1973

空力重視、但しもっと肩肘のゆったりしたモデル。フォードのV4エンジンをミッドシップに積んでいますが、一応4人乗り。いかにもフラン主らしい奇妙な造形です。

・・・・・どっかで貰った写真です。

<バゲーラ>1973~1980

1970~73年に生産されたシムカ1.3lエンジンベースのモデルです。横に3列の3人乗り。スポーツ指向のジェットとフランス式スポーティ実用車のM530の中間を狙ったモデルの様です。

実はこのモデルには試乗した記憶があります。当時の車にしては幅が広く、且つ3人掛け故に外側にオフセットした左ハンドルであまり良い印象を持ちませんでした。おまけにシフトリンケージが外れてシフトできなくなってしまいました。現代の自動車環境ならばグランドツーリングが楽しめるような気がします。

・・・・・同じくLane博物館に展示されているバゲーラ。

<ムレーナ>1981~1983

スタイリングが少し変わりましたが、横三人掛けのシートアレンジもシムカベースも共通です。

<おまけ:ルノーエスパス>

一時欧州の裕福層が現在のアルファードのごとくにご用達だったルノーエスパスもマトラが絡んでいるようです。鉄製のプラットフォームに樹脂の外板を張り付けたユニークな構造でした。

 

<おまけ:Sera C.D.>

ルネ・ボネと別れたCDは、市販車は出さずにルマン挑戦を続けましたが、芳しい戦果を挙げることなく1967年に終わりを迎えたようです。

・・・・・ルマン博物館に展示されていたCD。後ろの羽がなんとも艶めかしくうれしい限り!

<本稿完>